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上司、部下 それぞれとのコミュニケーション

「経営者は、一般社員と直接コミュニケーションを図ってはいけない」なんて広告を目にした。
もうね、あきれ果てる。
一般論の逆説を言えば、目を引くとでも思っているのだろうか?

私の経験から言えば、経営者は、一般社員の声を聴かなければいけない。
大企業になると、なかなか難しいだろうけど、彼らもそういうことは行っている。

なにも、仲良しクラブになるとか、そういう次元の事ではない。

経営者の考え方が、管理職に浸透していることは必要であるし、大前提でもある。
一見、そう見えたからと言って、【管理職-部下】のコミュニケーションに関して、まったく介入しないというのはいかがなものか?
テクニカルなことは任せても良いが、運営の事に関しては、経営者は目を光らせなくてはいけない。

こういった実例があった・・・

管理職からの訴え
「忙しくて人が足りないのに、誰も休日出勤をしてくれません。困ります。
新しい人を採用してください。
私は休日出勤をしているのに!しかも、社員はバカばっかりで、一人前に働ける人なんてほんの一握りです!」

一般社員に実態を聞いてみた
・休日出勤はしないように上司から言われている
・人が足りないので休日出勤を申し出ても上司から黙殺される
・今の上司が赴任してきて1年半。社員が11人辞めている。そんなことは以前はなかった。
やめた原因は、すべて上司の管理の悪さ。上司が替わったら戻ってきたい人もいる。
・仕事中に意味もなく上司がいなくなる
・他部署の仕事を手伝っているようだ
他部署とは、恋人関係である社員が担務している部署だ。
・実務を行っている時に、組んでいる社員がミスをした場合、責任は全部部下で、自分は「知らなかった」という
・メンバーの前で、ミスをした社員を罵倒する
・他部署から、「いちいち電話で何でも言ってくるのが煩わしい」と言われる
・自分を含めて勤怠を書き換えている
・公平性のない査定
・好き嫌いで評価
・的確な指示をしないので、皆で考えて工夫している

特に、「休日出勤の拒否」の理由が分からない。
この部署は、サービス業であるので、日曜以外は営業をしている。
通常、週に5勤で回すのだが、シフトの作り方が悪いのではないかと思った。
「シフトはどう作るのか?」と聞くと
「皆の要望を聞くと、土曜日に休みたい人が多いので、土曜日が人が足りないのです。だから、人材を増やしてください。」

それでは、誰でもシフトなんか作れるじゃないか。
そこを根回ししたり、調整するのがシフト作成者の腕の見せ所でしょ?

社員を集めて、私はこう言った
「土曜日の出勤者が固定してしまっています。
全体的にみると、人が足りている時と足りない時の差が大きすぎます。
土曜日に休みたいのは、家庭の事情もあるのでしょうけど、毎週とは言いませんが、月に数回、1回でも土曜日に出てくれないか?」

そこで出てきた言葉が、先述の
「休日出勤はしないように上司から言われている。人が足りないので休日出勤を申し出ても上司から黙殺される」であった。

上司は、人を増員して欲しい一心で、こんな稚拙な策を愚弄するのか?

上司に、「なぜ人が辞めるのか?」を聞いてみた。

・他部署に比べて仕事がきつい
(同じ部署が、グループ内にほかにもあるのだが、退職者が多いという事実はない)
・現社員の能力が著しく劣っている。1人ではなく0.5人で考えて欲しい
・会社が悪い
・私は一生懸命やっている

その上司も含めて、数名の管理職、管理職補を集めて研修を行った。
・そもそも、管理とは何か?
・管理職と部下の関係

このブログで言っているような内容である。

その研修は、悪くはないと思った。
感想文でも、「もっと早くこういう研修を受けたかった」「私はまだまだ出来ていないので、もっと工夫しますから、色々と教えてください」

ところがである、

前述の、管理職と恋人関係の者から横やりが入った。
この方は、会社代表の親戚であり、社内では絶大な影響力がある。

親戚「今のままで良いのだ。何を言っているか。会社は人を増員してくれればそれで良いのだ」

なるほど、やっとこの構造が分かった。
つまり、会社代表の親戚が、すべてを仕切っている。
彼が思うままにやっているのだ。
勿論、会社を悪くしようとは思っていない、心からの最善策をやっていると思い込んでいるのだ。

私「でも、職場の現状は悪いですよね?それを改善しなければいけない」
親戚「職場の現状?良いですよ、全然悪くない。ほっといてほしい」
私「人が辞めているでしょ?他の部署に比べても多く」
親戚「そんなことはない。ほかの部署も、辞めたい奴は多くいる、それを俺は止めているのだ」
私「では、ここの部署の人は止めないのですか?」
親戚「あなたは何もわかっていない。この部署の人は、皆、底辺なんだよ。そういった他所で使えない者しか会社は配属してくれない。とにかく、社員を増員してくれれば良いんだよ!」
私「あなたは、ここをどういう部署にするべきだと思っているのですか?」
親戚「そんなことはどうでもいい、日々仕事があるんだから、こなすだけだよ!『どういう部署にしたい』?ここは底辺なんだから、そんなことはどうでもいいんだよ」

社員と接していて、ここが底辺だなんて、そんなことはないと実感している。
優秀な社員も複数人いる。
勿論、すべての社員が超一流であるということはないのですが。

権力と腕力と体格と声の大きさ
いやー、手ごわいです。(笑)
聞いたら、元ヤクザだそうです。

社員にも聞いてみました、「なんで今まで声を上げなかったのか」
社員「代表の親戚には逆らえない」
だそうです。

管理職を誰にするかという人事は、本当に大事です。
もっとも、私の職務的には、管理職自体の教育も行うのですが、強力な拒否者、というか否定者がいる場合は、かなり難しい。
クライアントである代表者が、万一、このような横暴をしていた方が、まだ変えやすい。
代表は、問題意識をもってコンサルタントを雇っているのですから。

コンサルタントの立場としては、この親戚、管理職と何度も懇談したのですが、平行線。
何かというと恫喝してくる
チンピラである。
問題のすり替え、そして恫喝、そして「俺は代表を昔から知っている」と権力の誇示

私と彼のやり取りを、代表が聞いていたようで
「鮏川さん、打たれ強いね~」と言われました。(笑)
いえ、仕事ですし、会社を良くしようと思っていますから。

私は仕方がなく、クライアントである代表に報告した。

「親戚である事を笠に着て、より良いやり方の提案を受け入れてくれません。
会社を良くしようという気がないのです。
普通の方なら受け入れさせる自信はあるのですが、彼の場合は、かたくなです。自分のやり方を省みません」

そこで、クライアントが出した答えが「更迭」でした。

本来は、私もやりたくなかったことです。
ただ、大切な社員をこれ以上失いたくありません。
上層部2名の更迭で、他の社員が救われるならば、それの方が余程良いです。
しかも、不倫による社内恋愛の成れの果てですので、何らかの処置は妥当です。
ただ、本意ではありません。
今回は、本当にレアなケースです。
経営トップの親戚筋が社内にいる会社は、少なくはないと思います。
代表の目が届くような部署にいれば問題がないのですが、今回のケースは、物理的に場所が離れた組織でしたので、好き勝手に行っていたようです。

『適材適所』はとても大切です。
代表者の親戚だからと言って、それだけの理由で、企業の要所にとどまってはいけないのです。
特に、中小企業の場合、間違った配置は致命的です。

出来の良い管理職は
・皆の前で社員を叱りません ⇒ 二人だけで指導します
皆の前でしかることで、他の社員がピリッとするとでも思っているのでしょうか?
出来ている社員にとっては、全く関係のない話で、社内の雰囲気が悪くなるだけです。
今回の件では、①上司に怒鳴られ ②親戚に怒鳴られ とダブルで怒っていたようです。

出来の良い管理職は
・「社員の声を聴いてください」と経営者に頼みます。
悪い管理者は「社員の声なんか聴かないでください」と言います。
何を隠したいのでしょうか?

出来の良い管理職は
・部下の良いところを経営者に伝えます
悪い管理職は、部下の悪い点を経営者に言いつけます。
勿論、困っていることを相談することは構いません。
言いつけることと、相談は違います

出来の良い管理職は
・私生活を仕事に持ち込みません。
悪い管理職は、平気で持ち込みます。
部下を使用人だと思います。

出来の良い管理職は
・自己研鑽に努めます
出来ない言い訳を考えるのではなく。どうしたらもっと良くなるかを考えます。

・中小企業の管理職は『プレイングマネージャー』ですが、マネジメントを忘れてはいけません。
マネジメントとは、「良い組織を作り維持する」と言うことです。
この例で言うと、「辞めない状況を作る」ということです。
プレイングプレイヤーになっている管理職は行動を変えなければいけません。

出来の良い管理職は
・忙しさをアピールしません
忙しさをアピールするということは、自分のマネジメント力が無いことを白状していることです。

恥を知れ、です。

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