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元パワハラ社長の講演会

先日、墨田区役所の人権セミナーにおいて「元パワハラ社長」のセッションをしてきましたので、その内容をお伝えいたします。

元パワハラ社長を自認する鮏川氏とのトークセッション
令和2年2月21日 墨田区役所

鮏川嘉文 氏
30年ほど前のバブル時代に父親の会社を引き継ぐ。20人ほどの中小企業で、とても多忙。
従業員は定着しなかった。
パワハラをしなくなったのは目的でなく手段であり、パワハラをやめたら70人ほどの従業員 の会社となる。
現在は、経営コンサルタントや人材・企業拡大コンサルタント、セミナー講師として活躍。

司会者 元パワハラ社長ということで、具体的にはどのようなパワハラを行っていたのでしょうか。
鮏川氏 自分自身、経営者の息子ということで、元々仕事を知っていた。営業は優秀でしたし、技術もあった。成績の悪い社員をつかまえては、「どうしてできないんだ」と叱っていた。
具体的には、
・午後6時過ぎに会社に戻った社員に、その日の売り上げがないことを理由に灰皿を投げつけ、
「売れるまで帰ってくるな!」と叱責。
・朝礼時、クレームを受けた社員を名指しで非難、クレームの理由を張り紙で社員に周知。
社員全員の前で、30分も非難する。  等
同じことを他の社員にして欲しくなかったため、このような行為もしたが、当時はパワハラという概念はなく、ただ一生懸命やっているつもりだった。
 
司会者 経営者としてパワハラを実践していた当時、社内の雰囲気はどうでしたか。
鮏川氏 非常に悪かった。また、社員は自らのミスやクレームを隠すので、生産性は低かった。

司会者 経営者としての当時の悩みは、どのようなことでしたか。
鮏川氏 社員が増えないこと。当時はただただ会社経営に一生懸命だったので、雰囲気の悪さとの関連には気がつかなかった。

司会者 パワハラをやめた経緯は、はじめどのようなことでしたか。
鮏川氏 お客様からクレームがあり、いつものとおり社員を朝礼で叱り続けた。その際、別の社員から「社長の お叱りはもっともだが、朝礼に出ている社員のほとんどは、社長が指摘したような苦情をお客様からは言われない。
朝から1人の社員への注意を皆に聞かされて、私たちのやる気が出ると思いますか。」と指摘 を受けた。
その頃、パワハラ防止とは関係なく、業績を上げたかったので勉強していた。その中で従業員満足という言葉に出会っていたので、このことかと。これがいけないんだと思った。
 
司会者 その後、何を変えていったのでしょうか。
鮏川氏 業績を向上させたるために、社員のモチベーションを向上させ、自由闊達に仕事をしてほしいと考えた。
ただ、社員に勝手に仕事をしてもらうのではなく、自社の経営理念を浸透させておこうと考えた。最初は、理念を作って壁に貼ってみたものの、なかなか浸透しないので、社員に感想を聞いていた。

司会者 パワハラ社長が、経営理念について社員に聞き始めたということですか。
鮏川氏 とにかく「どうしたら良いと思う?」というキーワードを、とても使うようになった。

司会者 社内でのコミュニケーションを心がけるようになり、社員の反応はどうでしたか。
鮏川氏 このころから、私自身も社員に叱らなくなった。結果、壁を作っていた社員が、寄ってきてくれるようになり、辞職した社員も戻ってきた。
司会者 辞めた社員が、会社の状況を聞いて戻ってきてくれたということですか。
鮏川氏 はい。金銭トラブル等があった人を除き受け入れた。
会社の規模を大きくすることができたので、影響力のある社員を教育のために外部研修を受講させたのち、協力者として経営にも携わってもらった。

司会者 社員が20人から70人ほどになった結果、利益率や生産性の面ではどうなりましたか。
鮏川氏 利益率は元々悪くなかったので(笑)、生産性の面では向上し、従業員も辞職しなくなった。独立して辞める人はいたが、その人に対しては応援し、手を差し伸べた。

司会者 従業員がミスをしたケースもあると思いますが。社長の立ち回りはどうだったのですか。
鮏川氏 心優しい社長になろうと思って、お客様へのクレーム対応は社長自ら出向いた時期があり、結果的にはそこでクレームは終わっていた。
この対応を1年ほど続けたが、社員のミスが減らないことから「お客様第1」とはいえず、社員も育たないと感じた。そこで社員と相談し、その後は対応を変えた。
以降は、問題が発生しそうになったら早めに報告して欲しいことだけ伝え、ミスした社員と上司だけでクレーム対応をさせた。また、ミスをしてもペナルティはないが、クレームを隠したらペナルティとした。

司会者 叱り方でお悩みの上司の方や、社員とのコミュニケーションで悩んでいる方へアドバイスはありますか。
鮏川氏 社員とのコミュニケーションは重要です。
また、能力の有無は社員によるが、ダメな社員はいないと思っている。能力のない社員をどのようにして成長させるかは、上司や経営者が考えるべきと思っている。生産性は、打算で考えてほしい。
社員を怒っても仕方がないし、意味がないと思う。優秀な社員が多くなれば経営者は楽になると考える。
でも、おだてることではない。その上で、会社のベクトルを徹底し、その範囲内で自由に仕事をさせ、責任は社長がとることである。

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